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例会研究発表要旨

2022年度鹿児島民具学会例会

■指宿市開聞仙田における講の現在

御鍵宗充

 指宿市開聞の仙田地区にある下吉集落で行われている講の状況や、筆者の実家が属している講の様子等を報告。

○下吉(旧御鍵)集落の講 現在三つの講内・小内と呼ばれる講組織が活動。いずれも講の神の合祀や内容の簡略化が進む。筆者は御鍵の講所属。

○御鍵の講で祀る神 男女それぞれが祀る神が一柱ずつ、男の講を「お伊勢講」、女の講を「観音講」と呼称。講の神(お伊勢講のご神体や書き付け、サイコロなど)や付属物(お伊勢講の太鼓など)を報告。

○講の変遷 お伊勢講は少なくとも文化10(1813)年から続く。昭和30年に日天神などの八つの講をお日待ち講に合祀、お伊勢講とお日待ち講の二つに。平成17年にお日待ち講がお伊勢講に合祀。観音講は昭和44年に川上様を観音様に合祀。その他に書き付けから分かる講の構成員等を報告。

○講の現状 構成員・期日(お伊勢講は旧正・5・9月の16日と旧開聞町内で火災発生時、観音講は旧9月18日)・時間・場所(お伊勢講は宿を持ち回り飲食、観音講は神様のみ宿で持ち回り飲食店で食事会)・料理・席次・講の流れ(お伊勢講では歓談中にサイコロで遊ぶ、太鼓をたたきながら神様を次の宿へ移す)など実際の様子を交え紹介。

○講に関すること 講内による葬式への参加の在り方、かつて茅屋根の葺き替えを共同で行っていたことなどを紹介。最後に本講の現在における意義等に関する若干の考察を報告した。

2023年1月例会 - 2023.1.8 鹿児島県歴史・美術センター黎明館

御鍵宗充「指宿市開門仙田における講の現在」

鹿児島民具学会の歩みと活動 < 2022年度


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