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例会研究発表要旨

2013年度鹿児島民具学会例会

■姶良市内で見られる竹と竹製民具

浜田甫

 姶良市内に成育する竹は三三種類、このうちモウソウチクは貞享元(一六八四)年より栽培された古い竹林がある。近くには胸高周囲長六〇センチで日本一の巨竹や三一年生の最年長竹が知られている。蒲生メアサスギとモウソウチクの生産で有名な蒲生町に昭和四年、全国に先がけて県立林業試験場が開設され竹に関する研究がなされた。昭和五十九年に全国植樹祭が開催された県民の森に竹笹見本園が造成され県を代表する二三種類の竹が植栽されている。また、平成十七年に開設された姶良北山伝承館の竹細工教室では生活用具の創作に喜びを味わっている。昭和六十三年に開館した姶良市歴史民俗資料館では郷土の歴史・民俗・民具に関する資料の収集、保存が続けられている。竹製民具はマダケ製の自在鉤等二〇点余が展示されている。平成二十四年に開館した重富民俗資料館は昭和時代を中心とした生活道具が数多く展示されている。竹製民具は飯かご等三〇点余りと多い。
 特記すべき事項に、姶良市立漆小学校がある。創立は明治十二年の古い。全校生徒一五名小規模校ながらさまざまな竹文化活動が行われている。昭和六十三年に開催された郷土教育研究公開に向け整備された「郷土室」には二五点の竹製民具が展示されており、校区の郷土芸能「バラ踊り」は人気を集めている。

2013年11月例会 - 2013.11.2 鹿児島県歴史資料センター黎明館

浜田甫「姶良市内で見られる竹と竹製民具」

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