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例会研究発表要旨

2013年度鹿児島民具学会例会

■横瀬地区(霧島市)の共浴場・旧慣温泉権の今日的意義(2)

牧 洋一郎

 平成25年に、霧島市(旧牧園町)の横瀬温泉の再調査を2回に亘って行った。その調査目的は、民具の村興し利用・長閑な集落(原風景)の探索である。

 この横瀬地区には、かつての生活用具が野外に展示されており、その重要性をうかがい知ることができる。田の神様、水車、サコンタロ(粉つき設備)などである。そして、温泉施設建物(共浴場)すなわち手作り温泉は、現在も利用され続けており殊に重要と思われる。豊かな清流、農業用水(池田用水)に恵まれた地域で、米(もちっと横瀬米)の産地でもある。なお、集落の主な財産は村持ち林野(2か所)、旧慣温泉権(明治以前からの権利)、聖神社などである。

 住民の中には、薬用効果を狙って、共浴場を利用する人も少なくないが、現在湯量が少ないこともあって、男女別のコンクリート浴槽2漕が各1漕に縮減、残りの1漕は洗い場に利用されている。なお、以前の温泉水を使った柿の渋抜きは行われず、現在は焼酎でそれを行っている(一週間ほど)とのことである。

 横瀬地区の温泉利用戸数は減少傾向にあるが、区長の談話では、農業目標の定住者を奨励し、住民の高齢化・地域の過疎化を克服し、温泉利用を核として将来へ地域の発展として繋げたいとのことである。そのためには、サコンタロ、水車といった生活用具を展示から活用へと変更させることも必要ではなかろうか。

2013年5月例会 - 2013.5.11 鹿児島県歴史資料センター黎明館

牧洋一郎「横瀬地区(霧島市)の共浴場・旧慣温泉権の今日的意義(2)」

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