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例会研究発表要旨

2012年度鹿児島民具学会例会

■姶良市加治木町の史跡の竹と竹製民具

濱田甫

 加治木町は平安時代から領主の居城を中心に栄えた城下町で、史跡・名所が多く残されており、いろいろな竹が成育している。

1.鴻之巣園跡―約400年前に活躍した戦国武将の島津義弘時代の別邸。カンザンチクの生垣の内側にメダケ、シホウチクが見られ、背後にモウソウチクとマダケ林が望める。
2.岩屋寺跡―真言宗大乗院の末寺で県下で最古の寺の一つ。入口付近にマダケ林が、奥地の山道にモウソウチク林が見られる。
3.隈姫神社―加治木五社の一つ。祭神は島津義弘夫人の隈姫命である。境内入口から奥地までクマザサ(隈笹)が広がっている。
4.龍門司坂―大口筋の一部で寛永12(1635)年に造られた。石垣の坂の両側にメダケ、カンザンチク、ホウライチク、ホテイチク、モウソウチク、マダケ林がある。
5.加治木城跡―加治木歴代の居城で、本丸跡にモウソウチクとマダケ、犬馬場にメダケ、オカメザサ、カンチクが見られた。
6.干迫遺跡―蔵王岳麓の西方の干迫遺跡は縄文時代前期から現代まで続く遺跡がある。周辺にはヤダケ、メダケ、ホテイチク、ホウライチク、マダケ、モウソウチクがあった。
7.加治木郷土館―昭和12年に加治木島津家屋形の跡地に設立された。竹製民具は天吹や弓矢など約80点が展示されている。

2012年7月例会 - 2012.7.7 鹿児島市役所みなみ大通り別館

井上賢一「太鼓踊りのバチ」
徳留秋輝「中国古代の祭祀の祭具」
濱田甫「姶良市加治木町の史跡の竹と竹製民具」

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