品種の紹介

  出荷時期についてはこちらをごらん下さい。

宮本早生 [極早生温州]

 宮川早生の枝変わりで、当地では、9月中旬に1〜2分着色となります。酸の切れが早いのが特徴で、熟期が宮川早生に比較して2週間から20日早く、9月中に結果量の7、8割の収穫が可能です。萌葱色から5分着色時の食味が良好で、その後、完全着色に向けては年によって浮皮になりやすく、痛みが出やすくなります。

 糖度は、9月中旬に8度程度となり、水はけのよい南向きの斜面で耕土の浅い山手の土地では、10度を越える高品質の果実も生産できます。

 当地では、極早生温州の柱として今でも現役で広く栽培がなされていますが、近年の高糖度の果実を求める市場の要求に応えるには、若干の力不足を認めざるを得ないのが現状です。下に紹介する扇温州に品種更新を行っている所です。

扇温州 [早生温州]

 尾張系の普通温州の枝変わりで、当産地で宮本に続く優良品種として注目されています。

 私の栽培する無加温ハウスでは、2月25日被覆で満開が4月20日頃となり、9月8日には、早いもので8分着色となりました。内容は、糖度10度、酸が0.9で、果肉色もよく、内容に「こく」があって、市場では高い評価を得ることができました。

宮川早生 [早生温州]

 普通温州(福岡県)の変異で全国的に最もよく知られた早生温州の代表的品種です。

 当地でも早生温州として広く作付けされていますが、我が家の加温ハウスでも栽培されています。

興津早生 [早生温州]

 宮川早生とカラタチのかけあわせの結果できた品種で、宮川早生と比較して、生育旺盛で、着色も1週間早いです。糖度が高く、味が濃厚で作りやすい品種です。

杉山温州 [普通温州]

 尾張系の樹体変異により発生した品種で、当地では12月中旬に完着となります。収穫が遅れると浮皮になりやすい欠点があります。普通温州では中熟系の品種。紅が濃く収穫してすぐでも食味が良好ですが、年によっては、その後の長期の貯蔵により風味が淡泊になりやすい傾向があります。

青島温州 [普通温州]

 中熟系の普通温州で尾張系の枝変わりから選抜された品種です。樹勢は強く、当地では、隔年結果をしやすく、果実も大果になりやすい事が短所です。品質は良好で、大果でも内容のばらつきが無いことが長所です。

キンカン

 私が栽培しているのは寧波キンカンです。国内で栽培されているキンカンはほとんどこの品種です。

 中国浙江省原産です。寧波の船が遠州灘で難破し、船員が世話になった名主に献じた果実の種子から発生したといういわれがあります。キンカンの中では最も味の良い品種です。我が国には1828年に導入されたと言われています。果実は短卵形で10グラム程度、独特の甘みと香気に富んでいます。ネイハキンカン、メイワキンカンとも呼ばれています。 

伊予柑

 山口県東分村で発生し当初は穴門みかんで紹介されました。1890年に愛媛県に導入されイヨカンとして今日の発展を見ました。早生で結果性の良い宮内イヨカンが発見され、さらにその変異系として果皮が薄く滑らかとなった大谷イヨカンが発見されました。宮内イヨカンの方が味が良いので私はこちらの方を栽培しています。

タンカン

 中国の広東省で発生したポンカンとスゥイートオレンジの自然交雑種です。今は、中国や台湾で広く栽培されており,栽培地によって名称が異なります。中国福建省や台湾では,桶柑と呼びます。その名は,桶に入れて売り出された甘み有る柑橘に由来するそうです。日本では1986年に台湾より鹿児島県に入ったのが最初とされていますが,実際に栽培が始まったのは,1929年以降です。
果実は休憩で50グラム前後,果面は橙黄色で油胞が小さくやや荒いです。果皮の厚さは3ミリから4ミリで比較的剥皮はしやすい方です。果肉は,濃橙色で柔らかく果汁が多いです。酸味が少なく,甘みが多く,また,じょうのう膜が薄く風味が大変優れています。

デコポン

 農水省口之津支場にて清見とポンカンのかけあわせで育成された品種。果形Hデコを有する倒卵形であるが、樹が落ち着けば小型化または消失することもある。平均果重は230グラム、果形指数は110程度、奇形果が多く玉揃いはやや不良である。着色はじめは10月中旬で12月上旬には完着となり、とうおうしょく橙黄色となる。果皮は薄く剥皮が容易。揮発性の高いポンカン臭があり、浮き皮は少ない。果肉は橙色、じょうのう膜は袋のまま食べられる。果肉は分離しやすく、柔軟多汁、糖度は1月下旬に14〜16度、クエン酸は1.0から1.2となる。食味は極めて良好である。

 

早香

 農水省口之津支場にて今村温州と中野3号ポンカンとのかけあわせで育成された品種です。果実の外観が扁円形でポンカンに似た香りがあり、糖度が高く当地において12月中旬に成熟する早生の品種です。

太田ポンカン

庵原ポンカンの枝がわりです。早生のポンカンで当地では12月中旬に完全着色となり、酸も1.0以下となります。在来のポンカンに比較して早熟の早生ポンカンで年内に販売できる有利性がありますが、反面味が淡泊で糖度が低いなどの欠点があります。

サワーポメロ

日向夏

1820年代,宮崎市の真方さんの宅地内で偶発実生として発見された。親は不明であるが,ユズが関与していると推察される。その後,1880年頃日向夏と命名され広まった。
現在は日向夏と呼ばれているが,高知県では小夏または土佐小夏,宮崎県ではニューサマーオレンジの名称で販売されている。
平均の果実の重さは200グラム前後で,果面は滑らかで淡黄色を呈し,果皮は厚く柔らかく剥皮しやすい。
リンゴや,柿を食べるようにナイフで黄色の果皮の表面をむき果肉と一緒にそぐようにして食べると食味が増す。