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数の居どころ三角形の面積は、四角形の 1/2 になる。
四角錐の体積は、四角柱の 1/3 になる。I. 階段の断面積
1, 2, 3, 4, 5, 6, 7, 8, 9, 10,
というように、( 1 から 10 までの)10個の整数が小さな順に並んでいる。
すべてを合わせると、1+2+3+4+5+6+7+8+9+10 = 55
結果は 55 という数になる。このとき、
1 に 2 を加えて 1 が 3個。これに 3 を加えて 1 が 6個。というように順に加えてゆくが、
仮に加える順序を替えても結果は同じになる。
結合法則 ; ( a + b ) + c = a + ( b + c ) 交換法則 ; a + b = b + a
そこでつぎは、両端から向かい合う数を組合わせて、10, 1, 9, 2, 8, 3, 7, 4, 6, 5,
というように、5組に並べてみる。こんどの計算は、
(10 と 1 を合わせた) 11 に ( 9 と 2 を合わせた) 11 を加えて 22。・・・ という順序になるのだが、(10+1)+(9+2)+(8+3)+(7+4)+(6+5)
= 11+11+11+11+11 =55どの組も同じ (11×1) になっているので、じかに、
10×(10+1)/2 = 5×11 =55
という掛け算が展開できる。要するに、先に平均値が判明することに目をつけた巧妙な合計のしかたである。数学では、n +(n−1)+・・+1 =(1/2)・n ・(n+1)、という数式になる。
この数式は、ただ実用の省略計算法として見るなら「ちょっとした息抜きのテクニック」になる程度でたいしたことはないが、およそ「面積を求める」ことに関しては非常に重要な意味があるように思える。それで、この数式のなりたちを面積に即して図解してみよう。
右の図で、横10×縦10 の碁盤目の上に描いた小さな正方形の1個は 1 という数を代表している。これが2個連なれば 2 。3個連なれば 3 になる。
碁盤目の左端から 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 という10個の数だけのものを順に並べて描くと連続した階段になっている。ここで、小さな正方形の総数を数えるというのは、この面積を求めることにもなる。そのまま普通に計算すれば、
1+2+3+4+5+6+7+8+9+10=55
ということになるが、これではつまらない。
1列目の正方形1個を 10列の10個の上に移し、
2列目の正方形1個を 9列の 9個の上に移し、
以下同様にして、
5列目の正方形1個を 6列の 6個の上に移したところ、(小さな正方形が)横に5個、縦に11個並んだ長方形ができている。これによって、5×11=55
という計算が出来るようになった。ここまで来ると、いかにも面積計算らしい感じになっている。
かの実用的省略計算法のしくみはあまりにシンプルなので、図解にこれ以上の説明を加える必要はないと思う。しかし、この図解そのものにはまだ知られていない優れた素質がある。それを語らないで終わるのは悔しいので、これからそのあたりのことを考えてみよう。数学の、n +(n−1)+・・+1 =(1/2)・n ・(n+1)、という数式では n =10 を代入して、
(1/2)・n ・(n+1)=(1/2)・10・(10+1)=55
ということになる。これにならって、面積の例も、 (1/2)・10・(10+1)=55、と書くことが出来る。
また、数式のかたちを変えて、=(n)^2/2 +n/2、として、これにならえば、(10)^2/2 +10/2 = 50+5
というように書くことが出来る。そこで図の長方形に目を移して、小さな正方形の50個がどこにあるか、また5個がどこにあるかを見ると、50個は、横10×縦10の碁盤の内にあり、5個はその枠外にある。このように碁盤の内外に配置されるのは50個は碁盤目100個の半分だから当然のことである。一般的にいえば、
あらゆる n において、
(n)^2/2 個の小さな正方形は、横n×縦nの碁盤の内に、 n/2 個の小さな正方形は、その外に、
それぞれ配置される。
1 から 20 までの数を合計して 210 になる例で、このことを確かめてみよう。
(n)^2/2 +n/2 = (20)^2/2 +20/2 = 200+10
横20×縦20の碁盤において、200個の目は碁盤の内にあり、10個の目はその外にある。(右図)
なお、右図の碁盤に斜線を1本加えているが、碁盤の面積がこの斜線で2等分されて、(n)^2/2 の元のすがたが現れるとともに。斜線が通っている目の面積も2等分されている。これに沿って、元の階段のかたちを見たとき、20個の半分が(右下の)直角三角形の外にある。したがって、面積計算に即してあらためて位置づけすることになるが、碁盤外の目10個は、20ある階段下部分がここに移し置かれているものである。(一般的な計算法則になることを問題にしているつもりだが、そこは素人らしく、なるべく現実的なところに身を置いて考えてみよう。) たとえば、このかたちを石壁の断面だとしてみる。ただしこの石壁は、普通のサイコロ石で直角三角形を築いて、その上に異なる材質のサイコロ石を載せて階段を造るという構造になっている。これによって、上の図に実用的な意義が与えられる。つまり、石壁の断面図を元にした右側の図案によって、(1列当たりの)材料210個の内、普通の石が200個、階段用の異質の石が10個ということを即座に見積もることができる。
このことを、ふたたび (n)^2/2 +n/2 の式に戻していうと、奥に潜む石どもは二次 (n)^2 になって第1項に集い、また表面に露見する石どもは一次 n になって第2項に集う。私は、この関係に気づいて、ちょっとした発見をしたように感じた。そのわけは、つぎのピラミッドの例の中で述べることにしよう。II. ピラミッドの体積
(1)^2, (2)^2, (3)^2, (4)^2, (5)^2, (6)^2, (7)^2, (8)^2, (9)^2, (10)^2,
( 1 から 10 まで)10個の整数を各々自乗した数が順に並んでいる。
すべてを合わせていくつになるか。
1+4+9+16+25+36+49+64+81+100=385、
各個自乗して順に加えて 385 になる。九九を知っていれば難儀な計算ではないが、右の表を見てわかるように、ほんとうは 55個 の数を加え合せている。
これから 11, 12, 13,・・・ というように数が増すとさらに煩多な計算になるので、各個自乗して順に加えるというのでは間に合わない。そこで、n^2 +(n−1)^2 +・・+1^2 =(1/6)・n (n+1)(2n+1)
.385
. 1 . 2 2 . 3 3 3 . 4 4 4 4 . 5 5 5 5 5 . 6 6 6 6 6 6 . 7 7 7 7 7 7 7 . 8 8 8 8 8 8 8 8 . 9 9 9 9 9 9 9 9 9 10 10 10 10 10 10 10 10 10 10 .
という自乗の和の公式を利用する。今の例では、n に 10 を代入して、
10×(10+1)×{(2×10)+1}/6=(10×11×21)/6=2310/6=385、
n +(n−1)+・・+1 =(1/2)・n ・(n+1)
この、(1/6)・n (n+1)(2n+1) という数式のなりたちは、ひとまず、(1/2)・n (n+1) に (2n+1) を掛けたものを(1/3)倍したというように考えられる。
下の表は、n =10 のときを例にして、(110/2) の 55 に 21 を掛けたところを表している。ただし、55× 1個のひとつひとつに 21 を掛けている。石階段に喩えて、1155個のサイコロ石 で築いた石段を横から見たわけである。
.1155
. 21 . 21 21 . 21 21 21 . 21 21 21 21 . 21 21 21 21 21 . 21 21 21 21 21 21 . 21 21 21 21 21 21 21 . 21 21 21 21 21 21 21 21 . 21 21 21 21 21 21 21 21 21 21 21 21 21 21 21 21 21 21 21 = 3× .385
. 1 . 2 2 . 3 3 3 . 4 4 4 4 . 5 5 5 5 5 . 6 6 6 6 6 6 . 7 7 7 7 7 7 7 . 8 8 8 8 8 8 8 8 . 9 9 9 9 9 9 9 9 9 10 10 10 10 10 10 10 10 10 10 これを(1/3)倍する、つまり3等分した1つがピラミッドの体積になるから、石階段の体積はピラミッドの3倍で、中に3体のピラミッドが組み込まれているわけである。どういうふうになっているのか、石階段の中身を調べてみよう。
.385 (手前)
. 1 . 2 2 . 3 3 3 . 4 4 4 4 . 5 5 5 5 5 . 6 6 6 6 6 6 . 7 7 7 7 7 7 7 . 8 8 8 8 8 8 8 8 . 9 9 9 9 9 9 9 9 9 10 10 10 10 10 10 10 10 10 10 .385 (中)
. 19 . 17 17 . 15 15 15 . 13 13 13 13 . 11 11 11 11 11 . 9 9 9 9 9 9 . 7 7 7 7 7 7 7 . 5 5 5 5 5 5 5 5 . 3 3 3 3 3 3 3 3 3 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 .385 (奥)
. 1 . 2 2 . 3 3 3 . 4 4 4 4 . 5 5 5 5 5 . 6 6 6 6 6 6 . 7 7 7 7 7 7 7 . 8 8 8 8 8 8 8 8 . 9 9 9 9 9 9 9 9 9 10 10 10 10 10 10 10 10 10 10
. (手前)と(奥)にピラミッドができる。余り(中)を一体に見る。これも、
垂直方向の列の中で平均して、
ピラミッドを寝かせた形に直すことができる。.
||
. 10 . 9 10 . 8 9 10 . 7 8 9 10 . 6 7 8 9 10 . 5 6 7 8 9 10 . 4 5 6 7 8 9 10 . 3 4 5 6 7 8 9 10 . 2 3 4 5 6 7 8 9 10 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10
III. 四角錐の体積は四角柱の1/3になる。n^2 +(n−1)^2 +・・+1^2 =(1/6)・n (n+1)(2n+1) = (n)^3/3 + (n)^2/2 + n/6
( )を開いて右辺だが、この形で表された3次式の意味を、現実的なところに身を置いて、考えてみよう。
n 段のピラミッドを造ることになった。そこで、サイコロ石を (1/6)・n (n+1)(2n+1)個 準備しなければならない。しかし何か手違いがあって、工事現場に届けられたものは、サイコロ石の 1/3 片 (n)^3 個。 1/2 片 (n)^2 個。 1/6 片 n 個 であった。ところが、ここの棟梁は、「それでも結構」と、これらの品を快く受領している。どんなピラミッドを造るつもりなのか。 10段(385個)のピラミッドに そっくりのもの を造ることにして、その様子を想像してみよう。材料は、 1/3 片 1000 個。 1/2 片 100 個。 1/6 片 10 個 である。
まず、3種類の石片はどこに配置されるのか、ということを考える。
(1/3) 1000 個は奥深くに、(1/2) 100 個は表面に、(1/6) 10 個は稜線に配置されると思われる。
「奥深くに (1/3) 1000 個」と聞いて連想するのは、「角錐の体積は角柱の 1/3 になる。」という法則である。ピラミッドの本体をこのように造ると、斜面は滑らかな平面になる。(1/2) 100 個 で覆って階段の踏み石にする。この石片は稜線も覆うが、本体に加えて (1/3)+(1/6)=5/6 なので、1/6 の隙間が(10個所)ある。そこに (1/6) 10 個 を埋め込む。以上で、材料を使い尽くして、10段(385個)のピラミッドに そっくりのもの が完成した。
委細は下の表のようになっている。 但し、1/3片 と 1/2片 の数を 1/6片 で数え直している。
.奥深く 2000/6 = 333 と 1/3
2
5
9
8
15
15
11
21
21
21
14
27
27
27
27
17
33
33
33
33
33
20
39
39
39
39
39
39
23
45
45
45
45
45
45
45
26
51
51
51
51
51
51
51
51
29
57
57
57
57
57
57
57
57
57
.表面に 300/6 = 50
3
6
3
9
3
3
12
3
3
3
15
3
3
3
3
18
3
3
3
3
3
21
3
3
3
3
3
3
24
3
3
3
3
3
3
3
27
3
3
3
3
3
3
3
3
30
3
3
3
3
3
3
3
3
3
稜線に .10/6 = 1 と 2/3
...1 1 1 1 1 1 1 1 1 1
真横から見た.
2 3 3 3 3 3 3 3 3 3 3 8 9 9 9 9 9 9 9 9 3 9 14 15 15 15 15 15 15 15 3 9 15 20 21 21 21 21 21 21 3 9 15 21 26 27 27 27 27 27 3 9 15 21 27 32 33 33 33 33 3 9 15 21 27 33 38 39 39 39 3 9 15 21 27 33 39 44 45 45 3 9 15 21 27 33 39 45 50 51 3 9 15 21 27 33 39 45 51 56 .
3 3 3 3 3 3 3 3 3 3 3 3 3 3 3 3 3 3 3 3 3 3 3 3 3 3 3 3 3 3 3 3 3 3 3 3 3 3 3 3 3 3 3 3 3 3 3 3 3 3 3 3 3 3 3 3 3 3 3 3 3 3 3 3 3 3 3 3 3 3 3 3 3 3 3 3 3 3 3 3 3 3 3 3 3 3 3 3 3 3 3 3 3 3 3 3 3 3 3 3 .
1 1 1 1 1 1 1 1 1 1
上空から見た