第4回  アニマシオンで遊ぼう!

2008年 8月 5日 (火) 10:00〜12:00  
 

 
 セミナー@ “おそれ”でアニマシオン (講師: 岩辺 泰吏さん)

           絵本を通して子どもの持つ「おそれ、心の闇」を読み解いていくステップアップ講座

                                                                                                                                                                                                                                                             
    夏休み中のセミナーのためか、先生方や初めての方の参加が多かった
   ので、まずは簡単にウォーミングアップ!

    @谷川俊太郎さんの「いちねんせい」(小学館)より「つまんない」をそれぞ
      れのつまんないに替え詩していく。 
           ♪ドドンコドン〜♪ つまんない節 炸裂!
 
    A同じく谷川俊太郎さんの「これはのみのぴこ」(サンリード)のように、こと
     ばを次から次へと重ねていき、楽しい絵とともにオチのある愉快なおはな
     しを創り出す。




          人と人とが出会い、だんだん親しくなるためには、ある一定の順路をたどります。まず、名前(書名)を知り、顔(表紙)
         を見、声(文章)を聞き、未知への不安な気持ちは安心感へと変化していきます。本との出会いも同じです。書名だけ
         では判断できない内容は、実際に本を手にし、表紙を見、ページをめくることで、私たちの好奇心を揺さぶってきます。
          さあ、今日初めて出合った人と、ちょっと顔見知りの人と、仲のよい友だちと5人一組になって推理していきましょう!

           B「ぺちゃんこスタンレー」(あすなろ書房)を使って
               ・スタンレーがぺちゃんこになってよかった点、便利・活躍したこと?
               ・実際どうだったか、活躍の場面の挿絵からお話を考える。
               ・どうやてふつうの体にもどった?


                      


 いよいよ本日のメインに入りましょう!
  国語の授業のように、作品のテーマを読んでいくのではなく、テーマをもって作品を読んでいきましょう。読者に主体性をもたせる
  のです。 (本来の読書はこの行為ですが)
 
  テーマは“おそれ”です。


 次の10冊の本は、人の心の奥深くにある「おそれ」を表しています。(いつかはアニマシオンに使おうと、岩辺先生があたためて
  いた作品)
   
     @「青い馬の少年」 (マーティン・アスラン書房)
     A「あなたがもし奴隷だったら・・・」 (レスター・あすなろ書房)
     B「クマよ」 (星野道夫・福音館書店)
     C「ねんどの神さま」 (那須正幹・ポプラ社)
     D「レアの星」 (ジルソン・くもん出版)
     E「やねうら」 (オラム・評論社)
     F「ふしぎなともだち」 (ジェームス・評論社)
     G「トイレにいっていいですか」 (寺村輝夫・あかね書房)
     H「かさをささないシランさん」 (谷川俊太郎+アムネスティ・インターナショナル、理論社)
     I「忘れても好きだよおばあちゃん!」 (ミュラー・あかね書房)

 グループで次のことを話し合います。
    1.本の題名・作者・およそのストーリーを紹介する。
     2.この本はどんな「おそれ」をあらわしているか。熟語または短いことばで表す。
     3.その「おそれ」をどのようなことで克服しているか。
     4.最も印象的な文章を書きぬく。

 5人に2冊与えられた本をざっと読み、メンバーで話し合いながら、質問を埋めていきます。それぞれの感想や意見を尊重しあい
 ながら、グループとしての意見をまとめ、最後に代表者が全体の前で発表します。


                 


   *自分の要望はしっかり主張するが、他人への思いが少し欠け気味の子どもたちにとって、他人と協力してする活動は
     ちょっと苦手そう・・・。でも、身近にいる私たち大人が、本を媒介にしたいろいな仕掛けを組み立てることで、少し克服
     させてあげられそうですね。

                                                      (  Y. T さん )