伊藤明美さんをお迎えして
2008年 7月 7日 (月)
6月に引き続き、第二回の講演会、おはなしの講座が行われました。
*講演会 第二回 「子どもの本とおはなしの世界」 〜5、6歳から小学校低学年まで〜 (10:00〜12:00) |
この時期は、絵本を読んでもらっていた頃から、本格的な読書、児童文学へと進んでいく手前の
幼年文学の時期である。自分で読むのには長い、絵よりも文章が多い絵本を読んであげると喜ぶ。
・よい絵本
子どもに媚びていない。魅力的な主人公で、主人公の行動に子どもたちが感情移入でき、具体的な
行動でストーリーが進んで行き、満足できる結果が得られるもの。また、子どもたちが繰り返し読んで
もらいたがるもの。
「チムとゆうかんなせんちょうさん」「おふろだいすき」「ピーターラビットのおはなし」「ひとまねこざる」
「ぞうのババール」「こねこのぴっち」「にげだしたひげ」「アンディとらいおん」「ものぐさトミー」
・小学生になると子どもたちは評価されたり、友達との出会いや別れなどの転換期が訪れるので、子ども
の気持ちに添っていて、背中を押してあげるような本。
「ラチとらいおん」「あひるのピンのぼうけん」
・大人の役割は選ぶこと
良い児童文学の条件(リリアン・スミス)
問題の取り扱い方がずばりと明快・価値判断が健全で直裁・問題はお説教で語られず、作品の
内側に含まれている
「ちびっこタグボート」「わにのライルがやってきた」「グレイ・ラビットのおはなし」「チム・ラビットのぼうけん」
「ぐらぐらの歯」「こねこのチョコレート」「ぺちゃんこスタンレー」「おっとあぶない」「おそうじをおぼえたがらないリスの
ゲルランデ」「火よう日のごちそうはひきがえる」「エルマーのぼうけん」「くまのプーさん プー横丁にたった家」
「ドリトル先生」シリーズ、「オズの魔法使い」「アンデルセン童話集」
日本のもの・・・「どんぐりと山猫」「注文の多い料理店」
昔話を下敷きとしたもの・・・「山の上の火」「星のひとみ」「ムギと王さま」
その他・・・「宝島」「ハイジ」「長くつ下のピッピ」「くまのパティントン」
絵本から児童文学へどのように移行していったらいいのかを、本を交えてとてもわかりやすく紹介して
いただきました。まずは、手渡す側の私たち大人がしっかり読んで楽しんで、子どもたちに届けてあげた
いと思いました。
( 文責 M.O )
*おはなしについての講演&おはなしの講座 (13:30〜15:30) |
・どうして?なぜ?語りたいとおもったか。
初心に戻ることが大切。自己満足だと子どもは置き去りになる。
・覚える前に選ぶ。
自分が好きなおはなし。力量とおはなしの力のバランス。聞き手への配慮。昔話は再話集だけを比べない。
・たくさん読んで、たくさん聞いて、たくさん語ること。
・おはなしの質。
小さい子には短く、行って帰ってくるもの。 深い喜び、希望を与えるもの。
・覚え方。
良い言葉を語るために覚える。丸暗記はしない。声に出して雰囲気をつかむ。
簡単に覚えられるとは思わないこと。
・日本語の素養を豊かにすることが大事。
講演を聴きながら、「自分はどうしておはなし
を語るんだろう」と、おはなしを初めて聞いた
時のこと、初めて語った時のことなどを思い
だすことでした。
おはなしを選ぶことの大事さ、イメージして
しっかり覚えることなど、改めて気づかせて
いただきました。
たかがおはなし、されどおはなし・・・決して
自己満足にならないよう、初心を忘れずに
これからもおはなしを楽しみたいと思います。
( 文責 M.O )