2012年6月10日(日)
「もう一度力をください」
(士師記16:15-28)
瀬戸口武伝道師
  サムソンはナジル人であり、その部族は神さまから聖別された存在でした。しかし聖書に記されるサムソンの行動は、あまりに粗暴で、感情的なものであり、どうして神さまがこのような人物を士師として選ばれたのか不思議でなりません。確かにサムソン自身生まれた時から「救いの先駆者となろう」(13:5)と予言され、「主の御計画」(14:4)に位置づけられてはいたのです。しかしサムソンは与えられた力は、まるで自分自身の力であると勘違いをしているように見えます。今日の箇所では、そんなサムソンが女性の誘惑に負けて、捕らえられ、両目を失うところまで、その立場を貶められています。どん底まで落ちてしまったこのところで初めて、彼はその力が、神さまからいただいたものであったことに気づいたのではないでしょうか。見えなくなって、はじめて見えてくるものがあるのです。そして16:28では、自分の命を懸けた起死回生の策のために、「神よ、今一度だけわたしに力を与え」て下さい、と懇願するのです。私たちは、何度も過ちを犯してしまいます。しかしその都度その罪を赦して下さり、新たなチャンスをお与えくださる神さまに信頼して歩んでまいりましょう。