ケアマネに必須!医療の知識 ケアマネが、将来の不安に、ため息をついている。居宅介護事業所管理者要件は先送りとなり、ケアプランの利用者自己負担も、棚上げとなり、まずは胸を撫でおろしているが、向かい風の如し、問題は山積している。さて今回は、国がケアマネに求めている、もっと専門職として、医療の知識を身につけるべし、との厳しい要求に対して、対策を練りたいとの思いで、筆を取った。 |
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脳血管障害 認知症 帯状疱疹 骨折 誤嚥性肺炎 うつ病 眩暈(めまい) 顔面神経痛 低体温症 熱中症 閉塞性動脈硬化症 脊柱管狭窄症 BPSD 肺結核 関節リウマチ パーキンソン病 慢性硬膜下血腫 高血圧症 糖尿病 脂質異常症 肩関節の疾患 変形性膝関節症 急性腹症 CKD 心不全 慢性閉塞性肺疾患 ※ACPにおけるケアマネの立場 |
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ACP におけるケアマネの立場 キーワード:ACP(アドバンス・ケア・プランニング) AD(アドバンス・ディレクション) LW(リビング・ウィル) ACP を理解するには、その前身とも呼べる、AD を解釈する必要がある。AD とは、「ある 患者あるいは健常人が、将来、自らが判断能力を失った際に、自分に行われる医療行為に 対する意向を、前もって意思表示すること」と定義されている。AD には、代理人指示と、 内容的指示と呼ばれる、二つの要素がある。代理人指示とは、事前指示を行う者が、意思を表示できなくなった時、決定を行う代理人を指名しておく、事前指示である。対して内 容的指示とは、治療についての患者の望みを記録した事前指示で、LW は、内容的指示の一 つで、書面により残された指示を示す。LW は、生前意思と訳されていて、人生の最終段階 を迎えた時の、医療の選択について、事前に意思表示しておく文書となる。LW と、代理人 が決定されると、AD が構成されたこととなる。残念ながら、日本では、文化的背景も理由で、AD が定着していない。殊に欧米では、医療倫理の基盤が、自律尊重原則にあり、日本 人の国民性とは趣を異とする。ちなみに日本では、無危害原則の志向が強い。興味のある 方は、“医療倫理の 4 原則”を検索頂きたい。さて AD のみで、その本人の望む最後を迎え られるかといえば、多くの事例の研究から、必ずしも有効でなかったとされた。そこで AD を発展させ、ACP の導入となる。ACP は、患者−代理人−医療従事者等の三者が、患者の 意向や、大切な事項をあらかじめ話し合うプロセスを、尊重することとされ、患者の価値観を理解・共有することで、現実に起こり得る複雑な状況に、対応が可能なモデルとされ ている。厚労省が、平成 30 年に改訂した「人生の最終段階における医療の決定プロセスに 関するガイドライン」において、地域包括ケアシステムの構築が進められていることを前 提として、諸外国で普及しつつある ACP の概念を盛り込み、医療・介護の現場における取 組を図るという考え方を根幹とし、3つの観点を、明言化している。 @ 本人の意思は変化しうるもので、医療・ケアの方針について、話し合いは、繰り返すこ とが重要 A 本人が、自らの意思を伝えられない状態になる可能性があることから、その場合、本人 の意思を推定しうる者となる、家族等の信頼できる者も含め、事前に繰り返し話し合っ ておくことが重要 B 病院だけでなく、介護施設・在宅現場も想定する この先日本でも、ACP に関する検証等が、分析されていくであろうが、まずはこのガイド ラインに準じて、実践を重ねるのが肝要と思われる。 (ページTOPへ) |
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