加世田士踊り

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「加世田士踊り」基礎データ

加世田士踊りは、竹田神社の夏祭りに毎年奉納される郷土芸能です。青年による勇壮な二才踊り(ニセオドリ)と、小学生による厳かな稚児踊り(チゴオドリ)の2種類で構成されています。

「加世田士踊り」写真と解説

1.二部構成の加世田士踊

士踊り(士=侍 さむらいおどり)は、新暦7月23日、加世田武田の竹田神社夏祭りに奉納される。青年による二才踊りと、小学生による稚児踊りの二部からなる。踊りの順番は次のとおり。@稚児触れ太鼓・退場→A二才入場・円陣・縦列・退場→B稚児再入場・円陣・横列・退場。

2.二才踊り

二才踊りは裃・帯刀の先払い、歌い手、陣羽織・帯刀・鉢巻の踊り子(鉦・太鼓の採り物なし)で構成される。二才踊りは円陣外の歌い手に合わせて舞う。刀は抜かない。下野敏見によれば、この踊りは戦国時代の成立とされる〔下野1980 86頁〕。竹田神社に祀られる島津忠良が、島津貴久の凱旋祝いに踊らせたとも、あるいは士気鼓舞の踊りとも伝えられている。また、間諜(スパイ)に分らないように、難解な歌詞にしてあるという〔三国名勝図会・加世田名勝志〕。

3.稚児踊り

稚児踊りは先導に甲冑武者、続いて白装束に陣羽織の手持ち太鼓の踊り子隊が続く。周回するときは手持ち太鼓を水平よりななめ上に向けて、顔の前に両手で持つ。叩くときは、左手の太鼓を右手に持った桴で打つ。一重の円陣で周回しながら歌い、太鼓をたたく。最後に境内上手から下手に一直線に並んでたたき、締める。

稚児踊りの太鼓は、直径30センチほどの厚みの薄い手持ち太鼓で、桴は木製すりこ木型。市来七夕踊りの本踊りのものと共通している。楽曲は厳かで、念仏踊りを思わせる。

4.加世田士舞楽の歌詞

【児童の歌謡】

○君が恵は、清滝川の流のすゑも、すむ御代なれや、民もゆたかに、
さんさあるいわさ、あらししづけき此時よ

○松はもとより、常盤のいろよ、梅は匂ひよ、柳はみどり、花は紅ひ、
さんさあるいわさ、あらししづけき此時よ

○幾久し、ふた葉の松も、
千代のみどりも、今年よりいろもまさりて、
常盤木の松と竹とのすぐなる御代は、代々をふるとも、尽せじな

○いつ見ても、小塩の山は、
千代のみどりも、今年より色もまさりて、
常盤木の松と竹とのすぐなる御代は、代々をふるとも、尽せじな

○春はまづ咲、梅のはな、まねくをばなに、さそはれて、
ゆけどはてなき、むさし野は

○夏は沢辺に、飛蛍、いどとこゝろの、あこがれて、
ゆけどはてなき、むさし野は

○つき日と、えんと、いのちのうちに、またもや君に、あはしまの神

○ます花あらば、われをもすてよ、わかれしあとの、なさけちらすな

○君は肩ぎぬ、袖なき君に、
あふてよしなや、あふよしな、いよの君さま

○身は真菰草、よしなき君に
あふてよしなや、あふよしな、いよの君さま

【少壮の歌謡】

○ゑいゝゝ若竹の、世々のすゑまでの君様、いよこのまことに、千ととせふる、
さ谷の流れに、亀遊ぶ、御代はかわらで、長久安穏ぢや、

○ゑいゝゝ千世をへて、なくや雛鶴の君様、いよこのまことに、おさまりて、
さ谷のながれに、亀遊ぶ、御代は治る、長久安穏ぢや、

○露程も、なさけかけざる若衆様、何の名残のおしかるゝ、おしかるろとよ、
何のナゝ、ソレハナゝ、ソレハナゝ〃〃
名残のおしかるゝ、世の中につんつくろいてや、しほもつものは、ふた葉のなさけ、
ツイソレハツイ〃〃〃の、ツイソレハ蛤の、しほおもひそめし、
其夜はかねのとびらもたまらぬ、ましてもやしほれ竹の、あじろものゝ数やのふ、
サンサ十有七はん、八がぶんゝゝ、再びサンソロヨ、
かんゝゝ枯木に、はん花が、さんさき、サンソロヨ、もとのつなをたのむぞ、
サアエイサラサ、サアエイサラサ、エイサラサラと、
ひかばゆけ、引ずは此気はゆかざらぬ、
とこでなソレハ寄せかけたれども、ナ、はぢはかきやせまい、
ソレハサアさいた、ソラハこふすりたひのナ、役ぢやも程にゝゝ

※『三国名勝図会』27巻「加世田」より引用。旧字体は新字体に改めました。任意に改行を入れました。2字続きの繰り返し記号は、ヨコガキで表現できないのため、「ゝ」2字で記載しました。なお、転記に誤りがあるかもしれません。研究に用いる場合は、原書をお当たりください。

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→参考:「薩摩半島における太鼓踊りの桴(バチ)


〔実地調査〕
2001以降の7月23日
〔参考文献〕
下野敏見著 1980年 『南九州の民俗芸能』 未来社。
『三国名勝図会』天保14年(1843年)―原口虎雄監修・解題、1987年、青潮社版第2巻861-865頁。
『加世田名勝志』文政7年(1824年)―上東三郎編、2005年加世田市教育委員会発行のものを利用した(217-220頁)。

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