写真●阿多張キセル(歴史交流館金峰)

●阿多張りキセル

Atabari Kiseru

歴史交流館金峰展示品(元伝承地阿多校区)

阿多張キセルは、かつて阿多地区で作られていた伝統工芸品。真鍮製(しんちゅうせい)の延べ煙管(のべきせる)。構造は、ハチ(鉢=火皿)・サオ(棹=雁首及び羅宇)・スイクチ(吸口)いずれも真鍮製で、各部を真鍮鑞(ろう)でつなげている。近藤津代志氏が『鹿児島民具2号』で報告したものは、直径1センチ・長さ21.5センチ。『金峰町郷土史』下巻によれば、阿多張りキセルの長所は、カス抜きがよいこと、丈夫であることとされている。寛政年間(1789〜1800)に長崎でオランダ人から製法を伝授された説と、坊津あたりから直接伝わったという説がある(郷土史)。

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