4月 砂丘地農業 吹上浜(加世田市万世・小湊)の開拓史 | 加世田風物詩 < 南さつま半島文化

砂丘の田植え

―薩摩半島加世田市万世・小湊の砂丘地農業―

砂丘ラッキョウの調理  加世田(かせだ)に来てから4回目の春を迎えます(1996年記)。4年前まず驚かされたのは、万世(ばんせい)や小湊(こみなと)で、家、墓、たんぼ全てが砂の上に作られていることでした。

 私の育った岡山のたんぼは普通作ばかりで、5月の連休に田植えをしています。学生時代を過ごした高知では早期米が多く、春休みに田植えをして、広いたんぼが一面に色付く7月には一斉にかかしが立ちます。そして夏休みがはじまるとすぐ、コンバインの音が聞こえてきました。加世田にこの早期米が導入されたのは、昭和28年のことです。
 農家の春は苗作り、田おこし、田植えと大変忙しい時期です。しかし今では農協から苗を取り寄せられ、耕うん機やトラクター、田植え機が活催する時代になりました。ちなみに、馬による耕うんは明治19年に伝えられ、それが牛に代わり、30年代からは耕うん機が使われはじめています。

 さて、加世田の砂丘農地は、戦後、引上げ者や地元農家によって、万世飛行場跡の砂地に内田佐方(うちださかた)や当房(とうぼう)、新川(以上万世校区)、宮原(益山校区)、から運んだねんどを入れ、開墾されたものです(市史から)。ここでは地面にパイプを打ち込むと簡単に水を引くことが出来ます。裏を返せば水はけの悪い土地でもあるのです。

 万世中学校の西側では、用水路や排水路も整備された、整然としたたんぼが完成しました。そして今月はこの新しいたんぼでの田植え。「永年肥やしてきた土地を作り直すのは不安もある」とも言われます。しかし農家はこれまでも、時代に合った作物や農作業を取り入れてきました。そして田畑の姿も改善を繰り返しながら、移り変わりを見せてきたのです。

5月:皐月の盗人グモ【蜘蛛の俗信】]→

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