※会場で配布された小冊子より抜粋
【 プログラム 】 【 祭主あいさつ 】

     第一部  未来からのメッセージ

     第二部  平成時代の太宰府政庁跡

     第三部  平安時代の太宰府政庁

     第四部  現代への帰還


 この度「第19回国民文化祭・ふくおか2004」(愛称「とびうめ国文祭」)の開催にあたり、開会式・閉会式と並ぶ重要な主催事業の祭主に選ばれたことは、光栄であり身の引き締まる思いです。また祭主という職責はこれまでに前例がないことと思いますが、東京や地元の出演者スタッフほか関係各位の幅広い協力を得て、かつてない素晴らしい舞台を作りたいと心から願うばかりです。

 さて、なぜ私が今回、演出ではなく“祭主”という役割・名称を選び、こだわりを持つのでしょうか?それは単に私たちが作ったものを演じ、お客様に鑑賞していただく・・・いわば一方的に与える、与えられるという図式のものを生み出したくなかったからです。今回は、あくまで国民のみなさんや福岡県民のみなさんが主体となる祭を生み出したいと思うのです。そういう催しを司る“祭主”であることで、この祭の主体が参加されるみなさんにあることを示したいと考えたからです。

 この大狂言祭は、本物の歴史の舞台を文字通りの舞台として、千年の未来から現代さらには千年の過去まで、観客も参加して自在に行き交い、架空のフィクションを繰り広げながら、あたかも歴史のひとこまを参加者全員が共に再現することになる、そんなひとときになるかも知れません。そのための仕掛けの一つとして観客のみなさんにも千年の過去にふさわしい小道具(衣装、かぶり物)を身につけて劇中に参加していただきます。もちろん、まだまだ他にもいろいろと考えておりますが、あとは当日のお楽しみということで。一見古風に見えたり、また斬新にも受け取られることもあるかとは思いますが、その根本には祭や狂言の精神を貫いている何かがあると確信しております。その“何か”を活かした構成・演出に身を任せて、日本の文化の伝承と創造を私たちと一緒に分かち合いましょう。
千年の昔、父の手を離れたみどりごは、
一枝の梅と共に時の彼方に流れ去り

千年の未来、タイムマシンを完成した天才科学者は、
21世紀を目指して旅立つ

この日、政庁跡に、
2千年の過去と未来をつなぐ時空の橋掛かり
数多く集う人々のエネルギーが最高潮に達するとき、
幻の政庁は揺れ動き、あなたたちは
千年の過去への旅の同行者となる

異色の狂言「唐人相撲」をベースに繰り広げる
今は昔、昔は今の物語

都府楼や つわものどもが 夢の跡
小春日和の 邯鄲の夢