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目撃証言から推定されるツチノコの姿と特徴

大きく、毒があるといわれる。かまれた人はいないが、かまれて死んだ犬はいる。
鼻孔 いびきをかく。噴気音を出す。
普通のヘビより鋭い。まぶたがあり、まばたきをする。
幅広く平たい。大人の指を三本並べた大きさ。
三角形をしており、ワニ皮のように硬い。
くびれている。
長さ30〜80p、直径7〜15cm。蛇行しない。
よくビール瓶に例えられることが多い。
ウロコ 普通のヘビよりずっと大きく、大人の小指の爪くらい。
コイのウロコにたとえられる事も多い。
黒、こげ茶、ねずみ色、玉虫色等、油を塗ったようにギラギラ光っている。
全体にマムシより大きい斑状紋がある。腹の色は黄や朱色、または白色。
細くて短い。強靭で尾で木にぶら下がることもできる。
背梁 目立って高い。背骨は2本並んでいる。(死骸で確認)
その他 性格はいたって凶暴で、いきなり人に襲いかかることもある。前進、後進が自由に
でき、2メートルほどジャンプする。威嚇するときは胴を張り、尾部で立ち上がる。
急流を泳ぎ渡ることもできる。



宮崎県椎葉村のツチノコ「たてくりかやし」の話

九州最後の秘境といわれる山深い村、椎葉村では、以前からそして今も、
ツチノコの目撃が続いている。これはそこで得た情報である。

商店街の釣具店(といっても間口3mもない)の女主人の話。25年位前は
自分の家の庭にもいたという。縁の下に棲んでいて、石の階段をコロコロ
転がった事もあるという。この女性、この村での聞き込みの最初の相手
だったのだが、「ああ、おるよ、おるよ」と当たり前のように
話すので、いささか拍子抜けした記憶がある。                   
ここの村の人は40歳ぐらい以上の人はほとんどその存在を信じており、
当たり前のように話すのだが、実際に見たわけではない。
実際に聞き込んでみれば判ると思うのだが、具体的な目撃談は意外と
少ないのである。その典型的な例を一つ、昨年、山で木を切っていた
作業夫が見たということで、よくよく聞いてみると作業をしながらしこたま
酒を飲んでいたらしい。その中で具体的な話もある。村役場の部長さんの
お母さんが実際に目撃し、新聞にも載った事があるというので、さっそくその
家に出向いてみた。残念ながらその本人は数年前に他界していたが、役場の
部長である息子さんから詳しい話を聞くことができた。20年程前に山好きな
お母さんは、5月のある日、友達と3人で山菜取りに尾田地区の裏山(といっても
標高1000m近く)の霜打山の山頂付近に行ったとき、そこはヒノキと杉と松の
植林の分かれ目のところ、「ズーズー」とも「グーグー」ともつかぬような
いびきがする。ひょいと見上げるとそれはいたという。全長50cm位、形も
ビール瓶のようで、驚く事に杉の木の枝にしっぽでぶら下がっていたと言うのだ。
慌てて逃げ帰った3人は、そのままなにも言わず3日ほど寝込んでしまったという。
事件を聞きつけた新聞記者に場所を案内すべく息子さんと記者の3人で
登っていらい、約20年間そのお母さんは一歩も山に入らなかった
ということである。その後その山に通じる山道の入口には、正式に
土木事務所が立てた、「つちのこ林道入口」の看板があるのだ。それと、
今でこそ地元の人たちは「ツチノコ」という言葉を使うが、昔は「たてくりかやし」
という名前で、ヘビとは違う種として呼ばれていたそうである。その意味は
「立って繰り返し回転して襲ってくる」という意味だそうで、これも例にもれず、
「たてくりかやし」に出会ったら、それはコロコロして下に転がるのは
得意だが坂を登るのは苦手なので、下に逃げずに
上に逃げろと、親から教えられていたそうである。               

私の独断であるが、「ツチノコ」の呼び方に方言がある地区は信憑性が
高いと思っている。それは、それだけ多人数の目撃がない限り、方言の
名称はできないだろうし、伝わりもしないだろうからである。    
余談であるが、上椎葉をはさんで霜打山の反対側に位置する松株山の
佐礼地区では10m級!?の大蛇が多数目撃されているらしいが、
実際の目撃談はまだ入手できていない・・・。


宮崎県えびの市京町温泉のツチノコ「どんぢごろし」の話

鹿児島と宮崎の県境に位置する、えびの市京町温泉にも出没するという
情報を得た私達は、早速現地へ行ってみた。
出現場所 岡松地区 目撃談はありきたりな話だが、特筆すべきところは
目の上に“つの”があったということと、「どんぢごろし」というその凄まじい名だろう。
目の上につの状の突起がある目撃談は、奈良県下北山村以下けっこう多い。
アフリカ等に棲むバイパーというヘビの種の多くは、目の上につの状のうろこを持ち、
相手を威嚇したりする時にそれを立てるのである。
ツチノコはその種の流れをくむヘビか、それと同じ体組織になっているものと思われる。
そしてその名であるが、「どんぢ」とは、鹿児島や宮崎の山奥では
“槌““きね”のことを{どんぢ}を呼ぶらしい。「ごろし」とは「転ぶ」の意である。


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